エレキギターの代表、ストラトキャスターとレスポール
一口にエレキギターといっても、メーカーも色も形もさまざまです。だからこそギター選びの楽しみがあるわけですが、さまざまありすぎて、初心者にはわけがわからないことも。それでも楽器屋さんやギタープレーヤー同士が困らないのは、ギターメーカーやギターのモデル、塗装の仕方などの共通言語を持っているからです。
これからギターを始めて、ギター雑誌を読んだり、仲間と話していたりするうちにいつの間にか覚えているものですが、ギターを購入するにあたり、これから紹介する2つのギター「ストラトキャスター」と「レスポール」の名前は覚えておいて損はありません。
というのも入門者向けギターはそのいずれかをモデルにしていることが多いからです。
ストラトキャスター
ストラトキャスターとは、フェンダーというメーカーが製造している、最も代表的なモデルです。通称「ストラト」。
エレキギターを買おうとしている方なら、一度は必ず目にしているギターでしょう。エリック・クラプトンやジェフ・ベックをはじめ、世界中の多くのミュージシャンが使用しています。
ストラトキャスターというのはフェンダー社の登録商標ですから、本来であればフェンダー社以外のストラトは存在しないのですが、多くのメーカーがストラトをお手本とした「ストラトモデル」を製造していますし、わざわざ「モデル」という言葉もつけずに「〇〇社のストラト」などと呼んでいます。
皆さんが購入を検討している2万円前後のギターもストラトモデルが多く、型番に「ST」と入っていたりします。後で紹介するレスポールに比べると安価に製造できるようです。
レスポール
レスポールとは、ギブソンというメーカーが製造しているギターで、やはり世界中に愛用者がいます。レスポールというのは、もともと、このギターを発明したミュージシャン(Les Paulさん)の名前です。
こちらもあまりに有名なモデルで、多くのメーカーがこれを手本にしたギターをつくっています。これもストラト同様「〇〇社のレスポール」で通じてしまいます。レスポールを参考にしたギターはよく型番に「LP」と入っていたりします。
廉価版のギターでもレスポールモデルはストラトモデルに比べて1万円ほど高いようです。レスポールを購入したい方は、ちょっと予算を増やしておく必要がありそうですね。
他にも定番のギターモデルはいくつもありますが、大抵はフェンダーかギブソンのギターがお手本になっています。それだけこの2社の存在が大きいといえます。
好きなミュージシャンのギターがどのモデルをもとに作られているか調べてみると、購入の参考になるかもしれませんね。
下がフェンダーの代表的なギターたち。
左から、ストラトキャスター、テレキャスター、ジャガー、ジャズマスター、デュオソニック、ムスタング。
こちらはギブソンの代表的なギター。
左から、レスポール(が2本)、SG、ファイヤーバード、エクスプローラー、フライングV。
ギターの長さや重さは結構違う。
ではいよいよギターを選びましょう!
初心者のギター選びについてはさまざまなところで語られていますが、やはり見た目は大事です!初心者のうちは音の良しあしはよくわかりませんし、例え良い音が出る楽器だとしても、その良さをひきだすことはできません。それよりも、毎日触りたくなるかどうかが重要。
あこがれているミュージシャンがいるなら、その人と同じ形や色を探すとよいのではないでしょうか。ただ、ネットで形だけ見てもわからないことがあります。それがギターの大きさや重さです。構え心地、触り心地のよいギターでないと、愛着はわいてきません。
ギターは種類によって重さが結構違いますし、形によって構えやすさも違います。またネックの長さや形も違いますので、特に体や手の小さな女子はいろいろなギターを構えさせてもらいましょう。
例えば、もっとも一般的な形であるストラトキャスターと呼ばれるモデル。
こちらのカタログを確認すると、スケールが25 2/1inchと書いてあります。これはロングスケールと呼ばれる長さです。
一方、「けいおん!!」のあずにゃんが弾いているムスタングというギターはショートスケール(24inch)ですから、上のストラトキャスターと38mmも違います。実際に手にすると、かなり違いますので体の小さな女子はこちらの方が弾きやすいでしょう。
ちなみに「けいおん!!」の唯ちゃんが弾いているレスポールというギターはミディアムスケール(24 4/3inch)で、ストラトキャスターとムスタングのちょうど間になります。
弦の長さが違うということは、ネックの長さが変わるとともに、弦の張力も変わるということなので、弦長が短いほど、弦の押し心地が柔らかく感じられます。
ギターによって重さもまちまちです。ギターの重さは、木の材質や大きさ、セッティングされている金具などで変わってきます。例えばムスタングの重さはだいたい3キロ前半ですが、レスポールは4キロを超えることもざらにあります。ギターは肩からぶら下げて演奏するものですから、1キロの違いは大きいです。
注意点としては、同じような形であっても、メーカーによって長さや重さは違います。例えば前述のムスタングですが、Bacchusのムスタングはミディアムスケールですし、レスポールもメーカーによってはボディ(本体)を薄くすることで、軽くしているものもあるようです。
ということなので、ギターの購入はいきなりネットでではなく、特に初心者の場合はお店でいろいろなギターを触らせてもらいましょう。10万円を超えるようなギターはともかく、2、3万円程度のギターならば、店員さんも気軽に触らせてくれますよ。
サウンドハウスで初心者セットを1万円でそろえよう
それでは、最強の初心者セットを1万円でそろえましょう!(記事の順番が逆になってしまいましたが、ギターを先に選びたい方はもちろんどうぞ)
サウンドハウスのサイトを開いたら準備完了です!
サウンドハウス - PA音響機器、DJ・DTM、照明機器、ステージ、カラオケ機材の全国通販
下にお勧めの機材をまとめてみました。よくわからなければ、これをそのまま真似してください。総額9702円!経験者も納得の、しっかりしたものばかりです。
以下、各機材の説明です。長いので、詳しく知りたい方だけどうぞ。
VOXのギターアンプ…よく初心者セットに入ってくるおもちゃのようなアンプとは一線を画した、しっかりとしたアンプです。イヤホンジャックもありますから、夜はスピーカーから音を出さないで練習することもできます。
CANAREのシールドケーブル…日本中にある練習スタジオのシールドケーブルを調べたら、おそらく一番シェアが高いのが、このケーブルではないでしょうか。その理由は音が良くて、扱いやすくて(やわらかい)、高くないから。めったなことでは断線しない、安心のCANAREケーブルです。最初の1本なら長さは3mくらいが扱いやすいと思います。3mあれば、スタジオでの練習にも対応できるでしょう。
ストラップ…ギターを肩にかけるためのものですね。音にはまるで関係ありませんが、見た目的には気になるところです。街中の楽器屋さんに行けば、カラフルなストラップがたくさん売っていますからそちらで買ってももちろん良いですが、意外と高かったりするので、この値段ならとりあえず1本持っていて困りません。
ピック…ピックは本当にたくさんの種類があるので、リアル店舗で触って買うのが一番ですし、はじめのうちは形や厚さの違うものをいくつか試すことをお勧めします。店頭でも1枚100円程度です。ただ、サウンドハウスだと30円で買えちゃいますよ!
クリップチューナー…チューナーとはギターの各弦の音の高さをはかるグッズです。これがないとチューニングができません。チューナーには、マイクで音を拾う方法やケーブルを挿してはかる方法などあるのですが、クリップチューナーの使い勝手がダントツ一番です。練習中はギターのネックに挟みっぱなしにしておいてOKです。
ギタースタンド…ギターを弾かないときに立てかけておきます。楽器屋の店頭でよくたたき売りされてますから、それでも結構です。
クロス…ギターを拭く布です。演奏した後にはギターと弦を拭いておきましょう。これも楽器屋のレジ周りでよく売っています。
ギターの弦…ギターの弦は痛みますので、定期的に張り替えます。特にギターを買ったときには、楽器屋さんにお願いして、新しい弦に張り替えてもらうことをお勧めします。メーカーは、今回あげたERNIEBALL(アーニーボール)とD'Addario(ダダリオ)が有名です。材質はニッケル製のものを選んでおけば問題なし。太さ(ゲージ)は初心者であれば、009-042(1弦が.009インチ、6弦が.042インチ)がよいと思います。(世の中のロックギタリストの8~9割が、009-042か010-046を使っていると思います)
レモンオイル…これは?と思う方もいると思いますが、これはギターを拭くのに使います。普段はからぶきでよいですが、汚れた際などはクロスにオイルを含ませてボディをふくときれいになります。特に指板(指で押さえる場所)は手垢や汗でよく汚れますし、乾燥もするので、弦を張り替える際には必ずオイルで指板を拭いてあげましょう。レモンオイルはとても良い香りがするので、わけなく拭きたくなること必至です!
楽器屋の「初心者セット」は買わないで!
楽器屋さんには必ず「初心者セット」というものが用意されています。前にも書きましたが、エレキギターを弾くにはギター以外にもいろいろ用意しなければいけないのですが、初めてギターを買う人は何を用意したらよいのか分からないと、このセットを買うことになります。が、ちょっとまってください!
経験者の目から見ると、初心者セットに入っている機材は、ちょっとお粗末です。ネットの声を拾ってみると、初心者セットに入っているシールド(ケーブル)は雑音が多く、すぐに断線してしまうようですし、ある意味ギター以上に音の良しあしを決めるアンプがおもちゃのようなものだったり(ハード〇フのジャンクコーナーにたくさん転がっています)、逆にストリングワインダー(弦を巻くグッズ)なんかはなくても困らないしと、突っ込みどころ満載です。
ということで、必要な機材はきちんとしたものをばら売りでそろえましょう!
でも、何を買ったらよいか分からないですよね。それに高くなってしまうのではと不安もあるでしょう。でも大丈夫!
私たちにはサウンドハウスがついています!
サウンドハウスはバンドマンなら一度はお世話になったことがある(はず)、楽器関係の通販ショップです。その特徴は何といってもその安さ!普段アマゾンを使う人も、楽器関係だけはサウンドハウスを使うという人も多いのではないかと思います。品ぞろえも豊富ですから、初心者セットをそろえるのに、これ以上のお店はありません!
次の記事では、何を買ったらよいかをご紹介します。
ご予算はおいくら?3万円あるといいですね。
さあ、エレキギターを購入することに決めました。が、今回用意できた予算はいくらですか?個人的には3万円あるときちんと買い物ができてよいと思うので、これから準備する人は、3万円を目標にしてお金をためてみてください。
3万円あると、ある程度のギターが、納得の周辺機材とともに購入できると思います。
ただ、とにかくお金がないという方には、下に紹介する通販ショップサウンドハウスのギター入門セットが一番安いと思います。値段は12800円。エレキギター本体と必要な周辺機材がセットになっています。
実は上のセットのギターを単品で買うと7480円です。残りの5320円はというと、エレキギターの演奏に必要な周辺機材となります。はじめてエレキを買う人には、「予算=ギター価格」とはいきませんから、ご注意ください。理由はこのブログを読み続けていけばわかると思います。
先ほど示した「予算3万円」の内訳イメージは、周辺機器10000円とギター20000円のイメージです!
アコギとエレキ、どちらを買いますか?
さて「ギターがほしい!」とあなたは思ったわけですが、一口にギターといってもいろいろな種類があります。まずは自分のほしいギターを確認しましょう。
まあ、いろいろなギターがあると言いましたが、おおざっぱに分けると2つです。あなたが欲しいのはどちらですか?
アコースティックギター
ボディ(本体)は厚みがあり、中が空洞で、通常は丸い穴が開いています。通常「アコギ」と呼ばれているのは、弦が金属製(スティール弦)のもので、昔は「フォークギター」なんて言われたりもしました。あいみょんやゆず、miwaなんかが歌いながら弾いてるのはこれです。
これに対し、弦がナイロンでできている「クラシックギター」というものもあります。これはクラシックやボサノバなどを演奏することが多く、弦がナイロン(ガット弦)でできているため、柔らかく、ふくよかな音がします。また見た目はそっくりな「フラメンコギター」というのもあります。クラシックギターとフラメンコギターの違いは、簡単に言ってしまえば、音色と響き方の違いです。
これらのギターは弦の振動をボディの空洞で共鳴させるため、ギター本体だけで結構な音量が出ます。電気やその他機器が必要ないため、弾き語りと言えばアコギです。その代わり家の中でジャカジャカ弾くと、近所迷惑の恐れがありますからご注意を!
エレクトリックギター
通称「エレキ」。ロックバンドで演奏されるのは主にエレキギターですね。エレキギターは弦の振動を電気信号に変えて、アンプで増幅させてスピーカーから音を出すため、電気のないところ(例えば野外の公園など)では音を出すことができません。しかし、電気と必要な機器さえあれば、同じギターを使いながら、音量が自由自在なだけでなく、音色もさまざまに変化させることができるのが魅力です。またアコギに比べて形状の自由度が大きいので、様々な色形がありますし、弾きやすさもエレキの方が上です。さらにエレキの信号はパソコンにも取り入れやすいので、パソコンで音楽を作る(DTM)際にもエレキであればギターの信号を取り入れて、加工をしたりできます。
ちなみにアコースティックギターとエレクトリックギターは、音程は同じですし、基本的に弦の本数も6本と同じですから、どれかが弾けるようになれば、他のギターも演奏可能です。ただしギターの抱え心地やネック(左手で握る棒の部分)の太さ、使えるテクニックなどは異なるため、上手に弾けるかどうかは別の問題ですが。
さあ、ここまでアコースティックギターとエレキギターの違いを並べてみましたが、自分の欲しいギターはどちらなのか、わかりましたか?基本的には自分が好きで、演奏してみたいアーティストと同じものを選べばよいと思いますが、もしそれでも悩むようでしたら、私はエレキギターを選ぶことをお勧めします。
というのも、エレキの方が初心者でも弾きやすいですし、やれることの幅も大きいです。迫力ある歪んだ(ギターの音色は「ゆがんだ」ではなく「ひずんだ」です)音色も、さわやかな音色も出せますし、カバーできる音楽ジャンルも広いですから、まずはエレキを手にすることをおすすめします。
このブログを書いたわけ ~おじさんから姪っ子へのアドバイス~
こんにちは。このブログを見つけてくださり、ありがとうございます。
このブログは、ギターをはじめるにあたり、限られた予算の中でギターを買おうと思っている人へのアドバイスを整理したものです。
なぜ書こうと思ったかというと、私には高校2年生の姪っ子がいるのですが、先日彼女と話していたところ、大学に入ったらギターを弾いてみたいとのことでした。でも話を聞いてみると、アコギとエレキのどちらを選んだらよいかも分かっていないような状態でした。
私は下手の横好きではありますが、ギター歴は30年。アコギ、エレキ、クラシック、フラメンコ、ウクレレなどいろいろ弾いてきましたし、ジャンクギターの修理や自作エフェクターの製作などもやってきたので、知識だけはそれなりにあります。それと以前からいわゆる格安ギターにも興味があったので、かわいい姪っ子がギターを持つ1年後までに情報を整理しておこうかなと思った次第です。
このような次第ですから、公正な意見というよりも、私的な視点が大きいですので、そのへんは差っ引いてお読みください。
ちなみに私が主に使用しているギターはこんな感じです。(画像はネットからの拾い物です)